「異次元テニス」をめざして

ー 残酷な天使の「アンチテーゼ」 ー

FB①「ファルコン」始動

 ①「プロネーション」の混乱

 「サーブ」の「プロネーション」の動きは、だいたいどのコーチも共通した説明ですが、「スピン」の「プロネーション」の動きは全くの未知の世界です。

実は、「イカロスGTR-DS版」の記事を書いているときから、「スピン」の「プロネーション」の動きを「パワーアップ」に利用できないかと模索していました。

もう二週間以上、この謎の「プロネーション」に悪戦苦闘してきました。

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というより、はるか以前から「この動き」は気になっていましたが、全くコントロールができなくて、実用化をあきらめていました。

「GT返し」を完成すれば、「プロネーション」の動きを利用しなくても、十分にパワーが出せると思っていました。

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「スピン」の「プロネーション」の動きは、まだまだ認知度が低い動きです。

さらに、コーチによって「プロネーション」の動きの解釈が違うので、混乱してしまいます。

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たとえば、Youtubeで調べると、あるコーチは「バイバイする動き」だと説明しています。

この動きは、「ワイパースイング」や「GT返し」と同じ動きであり、私の解釈とは全く違います。

ところが、このコーチは「打点を前にして」しっかり打ち抜くことが重要だと言っています。

おそらく、「プロネーション」の動きを利用することで「パワーアップ」できることを実感しているのだと思いますが、どの動きが「プロネーション」なのかは十分に分析できていないように思えます。

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同様に、「プロネーション」は「ボールの当たりを薄くする」と警告するコーチがいます。

このコーチも「プロネーション」を「肘先での運動」だと考えています。

肘先での「ワイパースイング」ではなく、体回転をしっかり使って大きくスイングするように勧めています。

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また、あるコーチは、Youtubeで、多くのレッスン動画を公開していて、その中で「プロネーション」の重要性を繰り返し強調しています。

ところが、このコーチの、非常に多くのレッスン動画を見てみましたが、どの動きが「プロネーション」なのか結局、よく理解できませんでした。

ラグビーボールを使ったり、ラケットヘッドを持ったり、いろいろと工夫した練習方法が出てくるのですが、とにかく、よく理解できませんでした。

熱心に練習している生徒さんたちは、このコーチの説明が理解できているのでしょうか?

実際のラリーや試合で、この動きを使えているのでしょうか?

正直に言うと、実は、私が考える「プロネーション」の動きが少し含まれているように思います。

しかし、これらの動画の説明は、あまりにも多くの混乱を招きます。

残念ながら、お勧めできません。

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英語の動画も「何百」と見てみました。

もちろん、英語での説明はよくわかりませんが、「スピン」の「プロネーション」の説明はほとんどありませんでした。

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②「プロネーション」の罠

面白いのは、この3人のコーチが動画の中で「見本」として打っている「スピン」ショットには、明らかに、私の考える「プロネーション」の動きが使われていて、その動きによって「パワーアップ」されているのです。

さすが、プロのコーチです。

自然と「プロネーション」の動きを利用できるのでしょう。

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テレビで、去年の全日本ジュニアの様子を見ました。

多くのジュニアが、自然と「プロネーション」を利用した、強打を打っていました。

すばらしいですね。

どの選手も「世界をめざして」いるのでしょう。

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でもここにが潜んでいます。

「スピン」の「プロネーション」はの動きです。

ところが、ほとんどの優れた選手は、この動きを自然と利用して、素晴らしい「スピン」を打っています。

そして、ある日、「どうやって打つのか?」という禁断の疑問が頭の中に浮かび上がるのです。

いかなる選手も、この「テニスのイップスから逃れることはできません。

「外見」では症状が分からない選手もいるでしょうが、「精神的」苦痛は「壊滅的」だと思います。

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元プロのコーチたちにも、もっとこの「プロネーション」の謎に取り組んで欲しいものです。

現役の選手には無理です。

目の前の試合に勝つことに必死な選手には、打ち方を改良することでさえ、非常に危険なチャレンジです。

その意味では、錦織選手がどうようにサーブを改良したのか、非常に興味があります。

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③「プロネーション」への挑戦

まず先に、言い訳をさせてください。

「G返し」や「GT返し」の記事の中で、「ついに異次元のテニスを見つけた」と、オオカミ少年の如く、興奮して「ガセネタ」を書いてきました。

実は、優秀なジュニア選手たちとは比較にならないですが、私にも、「G返し」や「GT返し」を練習しているときに、自然と「プロネーション」の動きが入り、理想的な「スピン」が打てるときがあったのです。

そのとき、この「G返し」が「異次元」だとか、「GT返し」が「異次元」の秘訣だとか、信じ込んでしまったのです。

ところが、いつまでたっても、スピンとパワーのコントロールができません。

このときの「背中にのしかかってくる敗北感の重圧」は、まさに、「カモメのジョナサン」と同じでした。

ところが、そのとき、なんと、私にも、「あのハヤブサみたいな短い翼」と同じような言葉が聞こえてきたのです。

ちょっとオーバーですね。

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私が考える「プロネーション」とは、バッティングやゴルフでの両手首の「ひねり」です。

もう「大混乱」です。

バッティングでも、ゴルフでも、「手首の返し」は議論の的です。

バッティングでは、そもそも、「手首を返すべきかどうか」が議論を呼んでいます。

そんな複雑な「手首の返し」を「スピン」に応用するのは不可能に近いものでした。

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実際、「GT返し」に、この「プロネーション」の動きを利用することはできませんでした。

しかし、今まで「GTR」の3点に意識を集中させる練習が役に立ちました。

試しに、「GT返し」「逆の動き」をしてみると、まさに「ヒット」したのです。

まさに「ジャスト・ミート」でした。

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まさか、あれほど練習してきた「GT返し」の「逆の動き」だったとは!

でも、「GT返し」を練習していなければ、見逃していた動きだったと思います。

この何カ月かの「GT返し」の練習が「無駄ではなかった」と信じたいですね。

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この「逆・GT返し」の使い方がわかれば、元の「プロネーション」の動きに悩む必要はありません。

「プロネーション」という理解しにくい言葉を使わなくても、この動きを説明できます。

必要な「スピン」と必要な「パワー」の両方を、ボールに正確に伝えることに集中するだけでいいのです。

とりあえず、この動きを「ファルコン」と呼ぶことにします。

あとは祈るだけです。「ファルコン」が大空にはばたくことを。

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④余談

今、「アスリートの魂」という番組で、新体操のトップ選手の苦悩を放送しています。

同時に、注目度は低いが、トップ選手のコーチの苦悩も映し出されている。

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テニスの、過去のジュニアのトップ選手たちは、どのようにしてプロの道を諦めていったのか?

そのジュニア選手を育てたコーチたちは、自分たちの無力さをどれほど痛感しただろうか?

どのスポーツも同じですが、テニスも本当に厳しい世界です。

ジュニア選手には、今の「栄光」は将来の何の保証にもならないということをしっかり覚悟して、頑張ってほしいですね。

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