F⑧⑨ 「R返し」と「G返し」の「二段返し」
①「二段返し」
「Gショック」があまりにも強烈だったので、冷静に動きを分析することができませんでした。
さらに、「ワイパー回転」が危険な動きだという先入観が強すぎました。
打点では「G返し」の動きが最重要ですが、さまざまな打点に対し、「G返し」の動きだけでは「リズム」が合いません。
また、「G返し」の動きだけでは体回転での「パワー」がうまく伝わりません。
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最初に、さまざまな打点に対し、「G返し」を行うのに最も適した位置にヘッドを準備する必要があります。
そのために、「手首を返す」動きを少し使って、「ラケット全体」を「準備位置」までスイングします。
ヘッドは、少し遅れた状態で準備します。
それが、ラケット全体をスイングする「R返し」です。
↑ 次の「G返し」のために、ヘッドは遅れた状態で準備されます。
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次に、「R返し」によって「準備位置」に移動したヘッドを、「G返し」の動きに切り替えます。
この二つの動きが「二段返し」です。(第8段階)
↑ 「G返し」への切り替えが「遅い」、あるいは「弱い」ように見えます。
↑ ゴルフの「ヘッドの返し」に「遅い」や「弱い」は許されません。
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②ゴルフでの「二段返し」
イメージしやすいのは、ゴルフでの「手首の返し」です。
ゴルフでは、クラブ全体を「手首の返し」を使って、打点まで振り下ろします。これが、ラケット全体をスイングする「R返し」です。
しかし、ゴルフの打点では、重いヘッドが180度回転してミートします。「手首の返し」に対して「ヘッドの返し」と呼んで区別します。
この「アンバランス」な「ヘッドの返し」が、「G返し」です。
↑ クラブ全体のスイングと180度の「ヘッドの返し」の両立
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最大の違いは、ゴルフでの「ヘッドの返し」には、直接「手首」の動きが働いていないように見えます。
テニスでは、ラケットのヘッドは「左右対称」なので、「アンバランス」な「G返し」のパワーを作り出すためには、手首を複雑に動かす必要があります。
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③「二段返し」と「二段反動」
「R返し」から「G返し」への切り替えの動きをチェックする方法は、回転するヘッドの反対側の動きを意識することです。
「R返し」はラケット全体のスイングなので、その「反動」がグリップ側に生まれます。
「R返し」のための、右手首や右肘の独特の動きを「R反動」と呼びます。(第9段階)
「G返し」は「アンバランス」な動きなので、その「反動」も複雑になります。これを「G反動」と呼びます。(第6段階)
「二段返し」の複雑な切り替えの動きを理解するには、「二段反動」の複雑な動きを意識する必要があります。
「バギーウィップ」の「二段反動」の複雑な動きは非常に有名です。
↑ 右肘と右手首に「二段反動」が生まれます。
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ゴルフでは、クラブ全体のスイングと「ヘッドの返し」の動きを、打点で「完璧」に合わせる必要があります。
まっすぐに飛ばすポイントは1点しかありません。
しかし、テニスでの「G返し」のタイミングの変化は、「スピン」の量や「パワー」の変化になります。
「G返し」をコントロールして、最適な「スピン」と「パワー」の組み合わせを作り出します。
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④日本人の「振り回す」クセ
日本選手は、ジュニアの頃から、体全体を使って、ラケットを「ワイパー回転」で「振り回す」クセを身につけます。
打点で不可欠の「G返し」の動きを組み込むことができません。
ジュニアの頃から、ていねいに、「R返し」から「G返し」に切り替える「二段返し」の動きを練習しなければなりません。
ジュニアの指導者は、体全体を使った、ラケットを「振り回す」動きを勧めたり、ほめたりしてはいけません。
ジュニアの間は、パワー不足のため、その打ち方でいいラリーができますが、プロレベルでは通用しません。
特に、日本の女子選手に多いクセだと思います。
ゴルフでは、「ヘッドの返し」を使わずに打つことはできません。
テニスでも、「G返し」は不可欠な動きです。
体格に劣る日本人選手には、できるだけ早く身につけてほしい武器です。
幸い、ティームも、今はまだ、「G返し」をコントロールできていません。急がなければ・・・
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「G返し」は難しい考え方ですが、ぜひ「挑戦」してみてください。
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